腰痛の3つの不都合な真実


腰痛の不都合な真実1

腰痛は腰に原因がない!?

 

上の表は、2019年に日本整形外科学会と腰痛学会が発表した腰痛の原因です。

これによると、原因不明の腰痛は21.6%しかないように見えます。

ですが実際は、「原因不明:「椎間関節性」「筋・筋膜性」「仙腸関節性」「心因性」の66.3%の腰痛は、画像検査では原因が見付からず、消去法で診断されている腰痛です。

そのため、腰痛の人の3人に2人は腰に異常が見付からないのに、腰に痛みが出ています。

 

特にヘルニアは、

・90%は手術が不要

・手術してもしなくても半年後は同じ

・腰痛がない人の76%にヘルニアがあった

などの研究報告があるので、たとえ腰に異常が見付かっても、腰に原因がないこともあります。

それなのに、腰痛で接骨院、整体院、鍼灸院、カイロ、マッサージなどに行くと、腰にしか施術をしません。

そのため、なかなか腰の痛みが取れません。

 

腰痛の不都合な真実2

腰痛がない⼈の76%が「⾻に異常がある」
(レントゲンで異常が見付かる)

これは国際腰痛学界のボルボ賞を受賞した、世界的に有名な研究です(ボルボ賞とは腰痛学会のノーベル賞のようなものです)。

この研究は、腰痛のない46人をMRI検査をしたて背骨の状態を検査した所、36人(76%)に椎間板ヘルニアや腰椎(腰の骨)の変形が見付かった、というものです。

これにより、腰痛≠背⾻の問題ということが、国際的な腰痛学会で公式に発表されました。

日本でも、ヘルニアの90%は手術が不要、と言っている専門のお医者さんもいるくらい、椎間板ヘルニアと腰痛は、背骨の状態とは無関係と言われています。

 

 

しかも、ヘルニアのサイズは痛みの強さには関係がなく、ヘルニアが大きくても腰痛がない人もいれば、ヘルニアが小さくても腰痛が酷い人もいる、という研究報告もあります。

さらに、1995年にスイスのチューリッヒ大学は、ストレスがヘルニアの痛みを強くする、と発表しています。

ストレスが多いと、腰痛が慢性化したり、椎間板ヘルニアの痛みが強くなったり、ぎっくり腰になりやすくなります。

ストレスが掛かることで、脳のドーパミンといった、痛みをやわらげるホルモンの分泌が抑えられてしまいます。

ドーパミンが減ってしまうと、痛みに対して過敏になってしまうので、普段感じない痛みでも感じてしまったり、同じ痛みでも強く感じてしまいます。

また、ストレスによる影響で、腰椎と腰椎(背骨の骨)のバランスがほんの少し崩れてしまうことが分かってきました。

そのため、腰椎と腰椎の間にある椎間板というクッションに負担がかかってしまい、腰椎椎間板ヘルニアになるやすくなる、ということも分かってきました。

腰椎椎間板ヘルニアの2/3は、ストレスが原因とも言われています。

 

腰痛の不都合な真実3

ヘルニアは⼿術しても、痺れ・痛みは改善しない

上の図は、腰痛で⼿術した⼈、⼿術しなかった⼈の痛みの経過を追ったグラフになります。

このグラフによると、⼿術した瞬間は⼿術した⼈(⾚線)の⽅が痛みはかなり改善します。

しかし、3か⽉後以降は、⼿術してもしなくてもほとんど痛みが変わらないという結果になっています。

「⼿術すれば、治る」というものもイコールではないということです。

病院での腰痛治療は?

 

MRIやレントゲンといった画像検査で異常が見つからない腰痛に、ぎっくり腰、慢性腰痛、坐骨神経痛、足へのしびれなどがあります。

これらの腰痛は、MRIやレントゲンで背骨(脊柱や腰椎)に異常が見付からないため、原因が分からないとされています。

そのため、背骨に異常の見付からないこれらの腰痛は、病院に行っても受けられる治療は、湿布を処方されたり、腰への手技療法だけです。

ひどい病院になると、問診の間に一度も顔を見られることなく終わります。

ぎっくり腰や慢性腰痛などの腰痛は、病院で痛みが改善することはあまりありません。

ずっと通院しながら、腰へのブロック注射や、湿布を処方されながら、痛みを誤魔化し続けるしかありません。

また、MRIやレントゲンで異常が見つかった、脊柱管狭窄症や、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎圧迫骨折、腰椎すべり症といった腰痛は、手術が行われることが多くあります。

これらの腰痛に関しては、手術を行った方が効果的な物もあります。

手術を行った後、理学療法士や柔道整復師によるリハビリが行われます。

手術した後は痛みが楽になったり、やわらぐこともありますが、困ることに痛みが再発することもあります。

特に腰椎椎間板ヘルニアは、手術を行っても、痛みが再発しやすい腰痛です。

 

ただ、腰痛で⼿術した⼈、⼿術しなかった⼈の痛みの経過を調べてみると、⼿術した瞬間は、⼿術した⼈の⽅が痛みや体の障害は改善しています。

しかし、3か⽉後以降は、⼿術してもしなくてもほとんど痛みが変わらないという結果が出ています。

つまり、「⼿術=治る」というものもイコールではないということです。

また、手術費用は、椎間板ヘルニアでは20万~100万円以上もかかってしまいます。

見逃せない腰痛の原因「ストレス」

 

ストレスが腰痛の原因に?

これだけは知っておきたいストレス

ストレスとは、外部からの様々な刺激のことです。

心理的、感情的、環境的、物理的な負荷といった、外部からの刺激のすべてがストレスとなります。

特に、ストレスの原因として多いのが、

 


・仕事の量や質

・人間関係

・心配性や完璧主義といった性格

・パソコンやスマホの長時間の使用

・睡眠不足

 


です。

この様なことが原因で心理的なストレスが溜まってくると、腰痛が長引いて慢性化してしまいます。

 

ストレスが痛みを強くする

私たちの体には、感じた痛みを抑える働きがあります。

私たちが痛みを感じるのは、受けた刺激を脳が痛みと認識しているからです。

しかし、何らかの理由で過剰なストレスが溜まったり、不安な状態が続いたりすると、痛みを抑える機能が弱まってしまいます。

特に腰痛が長引いて慢性化していたり、痛みが強い人の脳では、この痛みを抑える機能の低下が起こっていて、痛みに対して敏感になり、わずかな痛みでも強く感じ取ってしまっています。

そして感じた痛みがさらにストレスとなり、さらに腰痛が強くなり、さらに腰痛が長引いてしまう、といった悪循環に陥っています。

 

ストレスは腰痛の天敵です

腰痛を慢性化させている原因に、心理的ストレスがあります。

慢性腰痛は、小学生から高齢者まで幅広い年代に見られます。

特に30~50歳代の働き盛りに多く、都会の事務職に多いことが分かっています。

そのため、心理的ストレスが原因で腰痛が慢性化していると考えられています。

スイスのチューリッヒ大学が、1995年にストレスを受けていると腰椎椎間板ヘルニアで腰の痛みが強くなる、と発表しています。

他にも、心理的ストレスは、先程の脳機能の不具合とは別のメカニズムが関与して「ぎっくり腰」の発生リスクを高めることもわかっています。

心理的ストレスを抱えた状態で荷物などの持ち上げ作業をすると、作業時の背骨のバランスが微妙に乱れて椎間板への負担が高まります。

つまり腰自体の不具合による腰痛を発症するリスクが高まるため、ぎっくり腰になりやすくなると、ということが分かっています。

そのため、心理的ストレスと腰痛には密接な関係があります。

 

ストレスが腰痛を悪化させている

 

ストレスを受けると、体が固まってしまいます。

緊張している時や、疲れている時は、無意識のうちに体に力が入っています。

試験や試合、プレゼンの前に「肩の力を抜いて」と言われたことはありませんか?

これは、緊張して肩の筋肉に力が入っているからです。

この様に、無意識に力が入っているのは、肩だけではありません。

その場所は、1人ひとり違います。

肩かもしれないし、背中やお尻、お腹かもしれません。

 

ストレスを受け続けていると、あなたの体に無意識に力が入り、その場所が固まって、腰痛になってしまうこともあります。

あなたは、ストレスで「頭が痛い」「胃が痛い」という経験はありませんか?

これと同じ様に、ストレスで「腰痛」にもなってしまいます。

いわゆる、ストレス性腰痛です。

 

ストレス性腰痛は、ストレスをなんとかしないと、どれだけ原因を改善しても、すぐに力が入って固まってしまいます。

そのため、筋膜の歪みを改善するのと一緒に、ストレスも解消する必要があります。

 

腰痛の経済的損失

 

健康日本21推進フォーラムが2013年に行ったインターネット調査で、健康な自分の仕事のパフォーマンスを100点として、現状何点なのか、自己評価してもらいました。

この集計の結果、腰痛や首・肩こりがあると、仕事の生産性が平均でおよそ70点まで下がっていました。

やる気や集中力は65点で、コミュニケーション能力は73点まで下がっていました。

このことから、腰痛や首・肩こりがあると、仕事のパフォーマンスが約30%も下がってしまうことが分かりました。

この仕事のパフォーマンス低下による経済的損失は、日本全体で約3600億円にもなるそうです。

この経済的損失は、さらに通院や薬などの医療費まで含めると、3兆円にもなると言われています。